[読了] リスキリングは経営課題 日本企業の「学びとキャリア」考

2025/06/01

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masyus

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この本を知ったきっかけ

在籍企業内で「アウトプットし続ける意味」というテーマで勉強会を主催したことがあり、発表スライドに掲載する内容を調べる際に同書のサマリー記事を読んだことがきっかけで興味を持つようになりました。

勉強会のお題的に元々リスキリングにまで手を伸ばす予定では無かったのですが、学び続ける理由を調べていくうちにキャリアへの影響だけでなく、

  • なぜ日本の社会人は学びに時間を割かないのか?
  • なぜリスキリングが思うように進まないケースが多いのか?

の根本原因を深掘りしたくなり、この本を手に取りました。

この本を読むことで得たい・期待したいこと

以下を期待しました:

  • 日本の社会人が自発的に学ぶことが少ない理由を知りたい
  • どうしたら学び続ける状態になれるか

実際に読んでみて

本の読みやすさ

  • 読みやすいです。「中動態」などの聞き慣れない言葉が出現しますが、それらの定義も詳細に解説されています。
  • 日本人に学習行動が少ないという統計データも図で紹介されているため、理解しやすいです。

期待値との差分

期待通り〜期待以上の内容でした。

個人的な新しい気付き

  • 変化が激しく学び直しが必要になる現代において、企業側は従業員に積極的な学び直しを求めるが、日本の社会人に多く該当するとされる中動態的キャリアにはそぐわないことが多い
  • 入社〜中堅と、ミドル期以降で企業と従業員の関係が変化すること

この本を誰に勧めるか?

1. 会社で人事戦略を担っている方

おそらく会社で人事を担う方が読むのが最も良さそうです。人が学ぶようになるには個人の力だけでなく、企業の仕組みレベルでも手を打つ必要があるからです。

2. 日本で社会人をしている全ての方

社会人になったらぜひ一読すると良い内容だと思いました。自分たちが置かれている状況を客観的且つ、的確な資料と言葉で理解できるようになるかと。

感想

裏付けのある統計データが豊富で大変参考になりました。やや抽象度の高い言葉が登場しますが、必ず解説が付随してくるため読みにくさがほとんどありません。

中動態的キャリアは、今の日本における多くの社会人に当てはまるものだと感じます。それ自体が良い悪いではなく、今の変化が激しい時代では逆に多くの課題を浮き彫りにしてしまう、その最たる例が学びの少なさであると理解しました。

私自身はIT系技術職にあたり、日頃から新しい技術スタックに追随しないとどんどん知識・経験が陳腐化して置いていかれる世界で仕事していますが、特に昨今の生成AIの台頭には喰らいついていかないと技術職といえどもまずいと感じます。学び直しに限らずですが、年長になっても学び続ける姿勢を貫きつつ、学び続けやすい仕組みづくりにも関与していきたいと、本書を読んで改めて思いました。

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