Webエンジニアに必要な学習力とは?学習力を高める具体的な方法
2024/11/27
masyus
Webエンジニアを続けていくと日々新しい技術が登場するため、
常に学習し続けること
が大事になります。私はそもそも人には学習をする能力(以下、この記事では「学習力」と呼ぶことにします)があると考えており、且つ学習力は磨くことが可能であると捉えています。
学習力を取り上げる背景
今回なぜ学習力について書こうとしたかですが、私はWebエンジニアとして約10年働く中で、日々の仕事から得た知見をベースに技術等を習得してきました。しかし、目の前の仕事から学ぶだけだと
- 「将来を見据えて◯◯の技術を使えるようになりたい」
- 「将来◯◯なエンジニアチームになりたい」
といった、数年先の戦略を考えるためには足りないと気付きました(同様のことが自身のキャリアについても言えます)。先のことを見据えて、もっと技術・組織・経営について幅広く、継続的に学ぶ必要があると感じたのです。
学習すべきことは多いが、限りある時間の中で如何に効率よく学ぶか?
学習を進める上で今一度振り返りたいと思ったのが、自身の学習力についてでした。
- 今の自分の学び方は効率が良いのか?
- もしかしたらより良い学び方があるのではないか?
と考えた結果、自身の学習力を高める努力も必要であると感じました。
今までの経験上、ブログに知見をまとめたりどこかのイベントに登壇する等でアウトプットすることが一番知識を定着できると実感していたため、それは継続しようと考えました。これはインプットした内容を効率よく脳に定着する手段がそれだったからですが、同時にこれらのアウトプット手段は準備に時間がかかるという課題もあります。そのため、そもそもの学習力について体系的に知ることで、短時間で効率の良い学習ができるようになろうと考えた次第です。
学習力が高いとは?
ここからは「学習力が高い」とはどういうことかについて、私の見解を解説します。先に結論を出しますと、
学習力が高い = 基礎学習力が高い(ソフトスキルが高い) + 戦略的学習力が高い(目的ドリブンである)
であると捉えています。以下で詳細に触れます。
基礎学習力とは?
私がこの記事で学習力を因数分解するために定義した言葉です。2024年現在の文部科学省が示すところの
主体的に学習に取り組む態度
に相当し、ひいては関心・意欲・態度の高さを指します。要は主体的な学びの源泉というべき力で、人が生きていく上で生来的に持っているものであると考えています。
戦略的学習力とは?
ラーニングストラテジーとも呼びます。戦略的学習力はオックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授によって2017年9月28日に提唱された概念で、
新しいことを学ぶ際に状況に応じて最適な学習内容や学習方法を選択し、実践できる力・スキル
を指します。また、2030年に必要とされるスキル第1位で、AIによって代替されにくいソフトスキルの1つとして考えられているそうです(ただ、2024年現在におけるAIの進化速度を考えると個人的には若干懐疑的ではあります)。
戦略的学習力の勘所は
何のために、どう学ぶかを定義する
ところだと捉えています。即ちモチベーションに左右されず、将来得たい成果のためにどう学ぶかを決めて進める点が基礎学習力との大きな違いになります。
学習力を高めるには?
ここまで基礎学習力と戦略的学習力について解説しましたが、それぞれ能力を高めていく上でアプローチが異なることは明確です。以下で、それぞれの高め方について深掘りしていきます。
基礎学習力の高め方
1. 「意図的に知る・体験する機会を作ること」で高める
基礎学習力は生来的に備わっている能力だと捉えてはいますが、
日々の生活の中で活用しなければ高められない
ものであるとも考えています。自分が様々な物事に興味・関心を持てるようになると、次の新しい物事に興味・関心を持てるようになります。それ自体が1つの成功体験となり、その連鎖数が多くなる = 基礎学習力が高いと言えそうです。
自分が様々な物事に興味・関心を持てるようになるためにはまず、自分がどんなことに興味・関心があるのかを知る必要があります。その為の一番良い方法と考えているのは
意図的に知る・体験する機会を作ること
です。見聞きするだけでなく、実際に体験してみないと本当の意味で「自分はこんなことに興味・関心があるんだ」と理解できないと考えています。機会はどんなものでも構いません。
- 元々の自分の興味・関心の延長で機会を作る
- 全く知らなかった世界について知る機会をつくる
- 他の人から誘われたり勧められたりしたことを試しにやってみる
など、いろいろありますが何でも良いと思います。
2. アクティブ・ラーニングを併用して基礎学習力を高める
アクティブ・ラーニングは端的に言いますと正解のない課題に対し、どのように問題解決していくかを議論する取り組みです。正解が無いため、自分の意見を出しやすい側面があると思います。また、他人の見解を沢山知れる機会でもあるため、そこから想像以上に学びを得ることもあります。その為、アクティブ・ラーニングも基礎学習力を高めることに繋がるかもしれません。
3. 仕事におけるコンピテンシー評価を通して基礎学習力を高める
ビジネスにおいても、基礎学習力おける行動特性は評価対象として組み込まれやすいです。所謂コンピテンシー評価がそれに該当します。調べたところによると、コンピテンシー評価では
粘り強く知識・技能を獲得したり思考・判断・表現しようとしたりしているかどうか?
という意思的な側面を捉えて評価するようです。何らかの行動の結果で評価するよりも、その行動自体を評価する形式が良いとされています。もし自身が所属する企業の評価軸にコンピテンシー評価項目がある場合、これを活用して基礎学習力を高めるのも良い手かと思います。
戦略的学習力の高め方
1. 「目的を設定すること」で高める
自身の「目標を設定する」と言い換えてよさそうです。その為には
- 様々な情報を基に、自分が次のステップとしてどうなりたいかを明らかにする(もしくは仮説を立てる)
- 時間が有限であることを認識し、限られた時間の中で目標を実現するために必要なTODOを洗い出す
- TODOを着実に実行に移す
- 途中で目標を変えたほうが良いと判明した場合、柔軟に変えてTODOを洗い出し直して引き続き実行する
の順に進めるのが良いかと思われます。
まとめ
今回記事にした学習力は、エンジニアに限らず他の職種にも通ずる内容であると思います。私も実践中の身ですが、私の場合は特に「意図的に知る・体験する機会を作る」のが弱い為、ここを今後強化して学習力を高めていこうと挑戦中です。
参考
- 学力と学習力
- 中学受験・医学部受験のプロ家庭教師 総合進学セミナー > "学力"よりも"学習力"をつけよう
- 文部科学省 > 3. 学習評価の在り方について
- Eキャリア教育ラボ > アクティブラーニングとは?そのポイントと特徴を事例も交えて解説!
- 三菱電機ITソリューションズ > コラム > 戦略的学習力(ラーニングストラテジー)とは?未来に必要なスキルを身につける方法
- OXFORD MARTIN SCHOOL > The Future of Skills: Employment in 2030
- ビジネスパーソンを励ますwebメディア Books&Apps > 「学習能力が高い人」が最強である理由。
- NECソリューションイノベータ > ビジネスコラム > トップコンピテンシーとは?意味や人事評価、面接での活用を解説