理想のリモートワーク環境および、それを実現するために必要な物・事は何か?
2025/02/11
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masyus
リモートワークのニーズ
コロナ禍が開けてAfterコロナと呼ばれる昨今は少しずつ出社回帰の動きもありますが、現職の1Webエンジニアの目線では引き続きリモートワークの需要は高いと感じます。単に自宅のほうが作業しやすいということもありますが、たとえば子育て中の方はリモートワークのほうが、子供の発熱等による保育園からの突発的な呼び出しに対応しやすく助かることがあります(私は子供が2人いるのですが、実際に何度も体験しました)。また、自宅で副業をする時にもリモートワーク環境が予め整備されていると非常に着手しやすくなります。
これらを鑑みると、長い目で見た時に自宅のリモートワーク環境を最適化していくことは非常に大事なことだと感じています。
目次
この記事では以下の内容について解説します。
- 理想のリモートワーク環境はどんなものか?
- 理想のリモートワーク環境を実現するために必要な物・事
- やらないほうが良いことは何か?
理想のリモートワーク環境はどんなものか?
私が考える理想のリモートワーク環境は以下の通りです。
- 高い生産性を維持できる
- オフィス以上に健康を維持できる
- ときめく環境であり続けられる
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 高い生産性を維持できる
高い生産性を維持するためには
- 作業に集中しやすいこと
- 作業効率が高いこと
- 快適なインターネット環境が整っていること
が揃っている必要があります。
作業に集中しやすいこと
3つあります。1つ目は
デスク周りがシンプル且つ整っていること
です。気を取られてしまうようなものを排除します。たとえばデスクの近くにiPadやテレビが置いてあり、すぐに操作してしまいたくなるようなものはデスクから遠ざけたり別の部屋へ移動させることが大事です。また、デスクの周囲が汚れているのも気を取られる要因になります。デスクは常に清潔に保つようにしましょう。
2つ目は
不必要にSNS等を見ないようにすること
です。仕事の合間の休憩で、気がついたらSNSを開いて30分近く見てしまったということがないようにする必要があります。但しSNSから仕事に関連する情報収集することも多いと思いますので一概にSNSが悪ではないのですが、タイマーを使うことで制限時間を設けるのが良いかもしれません。
3つ目は
会議を少なくすること
です。リモートワークでもオフィスワークでも、会議はそもそも生産効率が良くないと感じています。テキストコミュニケーション能力の研鑽が必要になりますが、それはまた別の記事で取り上げたいと思います。
作業効率が高いこと
作業効率に関しては様々な向上手段がありますが、私見では
何をすべきかが明確であること、もしくは明確にすること
が一番大事だと考えています。これは日々の仕事のやりとりで常にやっていることではありますが、リモートワークにおいては対面の機会が少ないためその重要性が増します。また、付随してタスク管理ツールの活用は必須でしょう。「このタスクでは何を完了させる必要があるか、また、逆にやらなくて良いことは何か?」を明らかにし、タスク管理ツールに記録を残す癖をつけましょう。
快適なインターネット環境が整っていること
リモートワークをする場合、インターネット環境は非常に重要です。重いファイルを送受信したりビデオ通話をすることがありますし、リモートでサーバーにアクセスすることもあるため以下の要件が求められます。
- 回線速度が速いこと
- 回線の接続が安定していること
- セキュリティが適切に設定されていること
自宅でインターネットに接続する場合はWi-Fiに繋ぐことが多いかと思いますが、回線速度が遅かったり瞬断することがあるため、可能であればLANケーブルによる有線接続が望ましいです。また、インターネットプロバイダーの契約内容も重要です。回線速度が速いプロバイダに契約を変更するのも一つの手です。
2. オフィス以上に健康を維持できる
オフィス以上に健康を維持できるためには以下のことが求められます。
- 気分転換やリフレッシュがしやすい
- バランスの良い食事が取りやすい(しかも低価格で)
- 疲れにくいデスク環境を整えやすい
これらは複数人で作業するオフィスワークでは実現が難しいことが多いですが、リモートワークの場合は自宅であるため比較的容易に実現できるメリットがあります。
気分転換やリフレッシュがしやすい
作業環境をいつでも自分好みに変えられること
が大事になります。たとえば部屋の温度・湿度、照明、音楽、風、快適な椅子、デスクの高さ、モニターの高さや位置、キーボード、マウス等、これらを自分好みに調整もしくは変更できると作業環境下でもリラックスして仕事に臨めると思います。
次いで
仮眠を取りやすい環境であること
も重要です。体調は日々変わりますし、時には仮眠を取ることでその後の作業効率が上がることもあります。作業環境とは別の部屋に寝室が準備できれば良いですが、作業環境に仮眠できるベット等があっても良いでしょう。
最後は
運動しやすいこと
です。運動の効果は単に筋力維持や向上に限らず、トレーニングする時間はトレーニングに集中できるため、気持ちの切り替えやリフレッシュにもなることです。また、
リモートワークはどうしてもオフィスワークより運動量が減る
傾向にあります。自宅もしくは外で運動しやすい環境を整えることが大事です。たとえば自宅に運動器具を置いておく(一例ですが私のリモートワーク環境では自宅の一室にエクササイズ用ジョイントマットを敷き、その上に懸垂マシンとマルチシットアップベンチ、必要最低限のダンベルを置いてすぐに運動できるようにしています)、近隣にジョギングコースを見出す、フィットネスジムに通うなど、運動しやすい環境を整えることが大事です。
バランスの良い食事が取りやすい(しかも低価格で)
オフィスワークの場合、食事は外食が多いためバランスの良い食事を取ることが基本的に難しくなります。反面
リモートワークの場合は大抵の場合自宅となり、キッチンがあり自炊しやすい
ため、バランスの良い食事を作る環境が整えやすくなります。但し自炊は時間と手間がかかるため、時々外で低価格の弁当を買うのも良いでしょう。また、外食自体も否定的なものではありません。リモートワークの気分転換として、時々近所で意図的に外食するのも良いと思います。
疲れにくいデスク環境を整えやすい
リモートワークする上で特に自由度が高いのが
デスクと椅子を自前で選定できること
です。長時間デスクワークをするため、デスクや椅子が身体にフィットしないと腰痛やテニス肘などを発しやすくなります。デスクと椅子はいろいろ試してみて自分の身体に合ったものを選ぶようにしましょう。また、この2点はお金をかけるほど優れた性能のものが手に入ります。妥協せず、自身への投資だと考えて選んでみてください。
もう1点、身体に大きな影響を与えるのがディスプレイと自分との距離です。デスクの奥行きに左右される要素ではありますが、一般的なデスク周りではディスプレイと自分との距離が近すぎることが多々あります。これにより気づかないうちに目が疲れやすくなったり、近視を招いたりします。リモートワーク環境における自由度の高さのメリットの2点目として、
ディスプレイと自分との距離を適切に保ちやすいこと
が挙げられます。即ちデスクは奥行きが十分にあるものを選び、ディスプレイと自分との距離を適切に調整できるようにすることで目の疲れを軽減できるようにしましょう。
3. ときめく環境であり続けられる
リモートワーク環境は長時間且つ長期間居る場所のため、飽きないよう工夫する必要があります。意外と見落としがちですが、長く仕事し続ける上では投資する価値があります。お気に入りのガジェットを揃えたり、壁紙や照明・音楽・香料にこだわったり、はたまたリモートワークするロケーションを時々自然の多い場所に変えてみたりなどが挙げられます。
たとえば私の場合、
- リモートワーク環境を色彩暗めのもので統一する
- お気に入りの作業用BGMを聴きながら仕事する
といった形で飽きない工夫をしています。1.はディスプレイ、PC、キーボード、配線に至るまで色彩を同じにすることで作業環境に統一感を持たせられるようになり、お洒落さが増します。2.はSpotifyをサブスクで契約し、お気に入りの作業用BGMをノイズキャンセリングヘッドホンで聴きながら仕事をしています。これにより外部の音を極力遮断し、没入できる環境を生み出すことにより仕事に集中しやすくしています。
理想のリモートワーク環境を構築するために必要な物・事
ここまでは理想のリモートワーク環境に求められることを解説してきましたが、以下ではそれを実現するために他に必要な物・事を紹介します。
- プライベート空間と作業空間を明確に分ける
- 外部ディスプレイを使う
- カメラは専用のWebカメラを使う
- リモート会議用のマイクは音が通りやすいヘッドホンを使う
1. プライベート空間と作業空間を明確に分ける
プライベート空間には誘惑が多く、集中しづらくなります。可能であればリモートワーク環境とプライベート空間を部屋単位で物理的に分けましょう。部屋が分けられない場合、プライベート空間と作業空間を仕切るパーテーションを設置するなどして明確に分けるのが良いと思います。
2. 外部ディスプレイを使う
PCのウィンドウを増やせば、その分だけ作業が捗ります。PC以外に接続する外部ディスプレイを準備しましょう。その際、PCが何枚まで外部ディスプレイを接続可能かを予め把握しておくことが大事です。たとえば私が使用しているMacBook Air M2の場合、最大1枚までしかディスプレイを接続できなかったりします。その場合、DisplayLinkデバイスを購入・使用することで外部ディスプレイ接続を増やすことも可能です。
外部ディスプレイは
- ウルトラワイド1枚
- ウルトラワイド以外のディスプレイを複数枚
のどちらかをPCに接続して使うのが良いと思います。ウルトラワイドは1枚で複数のウィンドウを表示できるため、デスクトップのスペースを有効活用できます。複数枚のディスプレイを使う場合、1枚は作業用、もう1枚は情報収集用、もう1枚はコミュニケーション用と使い分けるのが良いと思います。
3. カメラは専用のWebカメラを使う
リモート会議やリモート面接等で、対面で話す必要がある時に専用のWebカメラがあると印象が良くなります。PC内蔵カメラはアングルの調整が難しいため、どうしても下から上へ自分の顔を写すことになりがちです。専用のWebカメラを使うとアングルを調整しやすくなり、自分の顔をより良く映すことができます。
4. リモート会議用のマイクは音を収集しやすいイヤホン・ヘッドホンを使う
意外と盲点なのがマイクです。マイクと自分との距離があると、自分の声が相手に小さく届いてしまいます。市販のイヤホンにもマイクが付属しているものもありますが、マイクの位置が自分の口から遠い場合があります。
PC内蔵マイクに頼ることはできますが、必然的にPCを自分に近い場所へ配置する必要が生じるため、作業環境の自由度が下がります。また、リモートワークではPCをクラムシェルモードで使うことも多いため、PC内蔵マイクが物理的に使えないケースもあります。
以上を鑑みると、マイク内蔵で音を収集してくれやすいイヤホン・ヘッドホンを準備する・もしくは専用マイクを使うのが望ましいです。
リモートワークでやらないほうが良いこと
ここからはリモートワークをする上でやらないほうが良いことを紹介します。
カフェやコワーキングスペースでのリモートワーク
カフェやコワーキングスペースでのリモートワークでは
- フリーアドレスで気軽に作業場所を変えられるため気分転換がしやすい
- 誰かとコミュニケーションを取りやすい
といったメリットがありますが、反面デメリットが多いです。
- いつ・誰が・何を見たり聞いたりしているかがわからない
- ディスプレイ覗き見防止フィルターなどは効果的だが、完全に見えなくできるわけではない
- フリーWi-Fiは心配事が多い
- 回線速度
- 大勢の人が利用している場合、回線速度が遅くなることがある
- 回線速度の遅いプロバイダと契約しているケースもありうる
- セキュリティ
- 専門家がセットアップしたわけでない場合、脆弱な設定だったりすることがありうる
- 悪意のある第三者のフリーWi-Fiに誤って接続する可能性もゼロではない
- 回線速度
- トイレで席を立つ時、パソコンどうする問題
- PCを持ち運んで誤って床に落としたくない
- テーブルに置いていくのも、盗まれる可能性を否定できないため怖い
- 専用ロッカーがあるとGood
- リモート会議時、会議用ブースもしくは人気の無い場所へ移動する必要がある
- 会議用ブースが空いてない、もしくは人気の無い場所自体が存在しない等がありうる
以上を鑑みるとメリットよりもデメリットのほうが上回るため、リモートワーク環境としては不向きになります。但し個室&LANの専用回線があるコワーキングスペースを利用する場合はデメリットを軽減できるため、検討の余地があります(代わりにランニングコストは高くなります)。
まとめ
理想のリモートワーク環境に求められることは以下の通りです。
- 高い生産性を維持できる
- オフィス以上に健康を維持できる
- ときめく環境であり続けられる
これらを実現するには無駄を省き、必要なものだけを揃えることが大事です。また、仕事をする上で快適に作業できるようになるものへは積極的に設備投資しましょう。