この1年ほど、駆け出しエンジニア(主にプログラミングスクールを卒業された人)の方の書類選考や面接を経て
「ああ、この書類の書き方勿体無いなぁ。。」
とか
「もっとこういうことを経験してから選考に臨んでくると良いのになぁ」
って思うことがいろいろあったので、今も絶賛エンジニアとして転職活動しているであろうあなたに届くと良いなと想いを馳せつつ、つらつらと書いてみる。
ちなみに個人的には、駆け出しエンジニアの方が増えている昨今の状況はソフトウェアエンジニアの総数が絶対的に足りてないこのご時世において、大変ありがたい傾向だと捉えているタイプの人間です。それだけにこの「あとちょっと○○ができてたら。。」のかゆい部分を知ってもらいたいというか、そんな想いで書いてみてます。
その1「今までのキャリアで培ってきた顧客目線を書類にしっかり書くこと」
意外とこれが浅い人が多いのだけど、
顧客目線無くして良いWebサービスは作れない
ので、書類選考時はよくチェックしている。人柄が出るポイントだと思う。
今までのキャリアがWeb系とは全く異なる畑だった方でも、
- ビジネスをやる上でカスタマーのことをどれだけ大切にし、
- カスタマーの悩みを解決するためにどうアクション取ってきたか?
を語ることはできるはず。その経験を、
- Webサービスを生業とする企業の中でどう活かすことができそうなのか?
- 顧客目線をよりブラッシュアップするために、自分がこれから磨かなければいけない能力は何か?
と照らし合わせながら、自分の言葉で書類にしっかり書こう。
その際のポイントとしては、
どれだけロジカル&的確に分析して書けているか
だ。次章にて解説していく。
その2「ロジカルさを磨き、どういう取り組みをすることで磨いているかを書類に書くこと」
エンジニアやる上で、issueの分解やクリティカルシンキングは大変重要な力。
プログラミングやWebプログラミングフレームワーク自体にロジカルさが滲み出していると思うので、駆け出しエンジニアであればすでにその登竜門をくぐっていることと思うが、ロジカルさを求められるシーンは常につきまとう。個人的には
エンジニアに限らず、ロジカルシンキングはどの職種でも求められる
と思っているくらいだ。
…って書くと不安に思う方もいるかもしれないが、もし仮に今現在の自分のロジカルさに自信が無いのだとしたら、それを向上させる為にどんな取り組みをしているのかを書類に書いてもらいたい。例えばロジカルシンキング系の本を読んで能力を上げようとしているのであれば、
- その本の内容のうち、自分が一番足りてないと感じている力は何か?
- 本の内容を参考に、普段から実践していることとその狙い
あたりがあると印象が良い。
また、可能なら書類もロジカルに書いてもらいたい。経歴書であれば
- 自分はどういう目的で最初のA社に入社し、
- どういう意図でその職種を選び、
- どんな結果を残してきたのか?
- その結果を残すに至ったプロセスを振り返り、
- 良かった・悪かった・改善することは何だったのか?を1つずつ書く
また、
- エンジニアに転職しようと思った背景はどんな理由からで、
- その為に自分がどのように努力するのが良いと思ったのか?
- 実際やってみてどうだったか?
- 今の自分に足りてないものは何なのか?
- その足りてないものを埋めるためにどういう取り組みをしているか?
が正直に書いてあると「おっ!」ってなる。このあたりは妥協せずに全力で向き合ってほしい。自分自身を顧みて未来の一歩を踏み出す為にも。
その3「Webサービス開発をするエンジニアの現場を一度体験してみる」
おそらくほとんどの駆け出しエンジニアの方がどこかしらのプログラミングスクールを卒業し、最終課題として実際にチームでWebサービスを作ってみたことがあると思う。確かに日々の開発においてはチームで新機能を開発したりすることが多々あるので、ここまでは必要最低限として経験してもらいたい。
それ以外にあるとGoodな経験としては、
実際にエンジニアが社内で開発している現場を見学させてもらうこと
だと思っている。
1度見学すれば分かると思うが、開発においてはプログラミングするだけでなく他チームと一緒になって企画〜設計も行ったり、それ以外にもメンテナンス対応や障害対応もやるし、また、大規模Webサービスを問題なく稼働させるにあたり使っている技術スタックや気をつけていることが沢山あるからだ。こういうのを知っているのと知らないのとでは、プログラミングスクール卒業後に学ぶべきスキルセットに大きな差が出る。
ではどうやってそのような機会を創るかというと、
- 知り合いのエンジニアがいたら現場見学できるかお願いしてみる
- プログラミングスクールの講師に伺ってみる
- 実際の選考を経て現場理解の時間を作ってもらう
という選択肢が挙げられる。1.ができるのが一番良いだろう。2.が可能なのかは正直分からないが、講師がこれまで他企業でエンジニアやっていた経験がある人であればダメ元で聞いてみても良いのではと思う。3.ができた人は申し分無し。
ただし闇雲にいろんな企業へ見学に行く必要はないと思っている。どこのWebサービス企業でも、エンジニアのTODOはたいてい共通しているからだ。そのため、
自分が興味をもった企業をどこか1つ
見つけ出し、その企業の終礼後の時間等を使って現場見学させていただく等して、現場のエンジニアと自分との間にある能力的な溝を知れればよし。企業のエンジニア側としても、自社に興味を持ってくれたエンジニア初学者であれば将来的に採用することもありうるので、時間を割くにしても悪い感じはしない。
とはいっても、そそうの無いように最大限気を配ろう。ちなみに余談だけど、周囲に気を配れる人は非常に印象が良い。
その4「ポートフォリオを磨き込み、個人開発で構わないのでWebサービスを実際に運営してみる」
以下の経験があると非常に印象が良い。
- 自分でWebサービスを作り、
- 実際に想定したユーザーさんに使ってもらい、
- フィードバックを受けてどう改善したか?
- 何かの機会にバズってユーザー数が増えた時にどんな課題が出て、
- それをどう改善しようとしたか?
- 作ったWebサービスでキャッシュポイントをどのように作ろうと考えたか?
- なぜそのキャッシュポイントが良いと思ったか?
これくらいの話が出来たら、Webサービスを作るエンジニアとして初学者の域は脱していると思う。
- 最低でも3.まで経験したら良し
- 5.まで経験したら尚Good
- 7.まで経験したら申し分なし
って感じ。Webサービス開発・運営にこそ、今まで書いてきたその1〜その3の要素が全て詰まっていると思ってもらうと良いかも。
終わりに…
プログラミングスクールを卒業しても、内定を得るまではそれなりに大変だと思う。実際、
エンジニアがいる企業の現場レベルと、プログラミングスクール卒業レベルの間にはまだまだ大きな隔たりがある
と、エンジニアの現場としては感じている。そのため、個人的にはプログラミングスクール卒業後の上記その1〜その4の取り組みのほうが企業側へのアピールポイントとして大事だと思っているし、その取り組みの有無でエンジニアとしての転職の成功・失敗に大きな差がつくのではなかろうか?
ということで長々と書きましたが、つまるところ
卒業後の取り組みのほうが大事
だと思っているので、じっくり腰を据えて自分に向き合いながら転職活動に取り組んでもらえれば幸いです。
PR
僕が働いているユアマイスター株式会社でも、上記のような取り組みをしている駆け出しエンジニアの方がいたら積極的に会ってみたいと思っています。ぜひ一度トライしに来てみてください!